パテントプール

現在、特許権の有効活用の手段として注目を集めているのが規格技術特許のパテントプールです。デジタルビデオ・オーディオの符号化・復号化技術、通信技術、記録媒体へのデータ記録技術などでは、異なるメーカーの製品間で共通のデータ処理が行えるように、技術の規格化が行われています。その場合、多数の企業の技術が規格に採用され、その結果、多数の企業の、多数の技術の特許権が規格化された技術において使用されます。これらの多数の特許権のライセンスを、一回の契約で、しかも合理的な料率で実現するのが、パテントプールです。このようなパテントプールは、ライセンスを受けるメーカーにとっても多数の権利者と交渉をする必要がなく、それらの権利者に個別に支払うよりはるかに安い実施料で多数の特許を実施できる点で有益であるばかりでなく、薄く、広く集められた多額の実施料が各特許権者に分配されるので、特許権者にとっても非常に効率のよい権利活用の手段として有効です。

このような規格技術特許のパテントプールは、最初に、1997年にビデオ信号圧縮技術の規格であるMPEG-2について始められ、非常に大きな成功を収め、その後他の多くの規格技術のパテントプールが創設されるきっかけとなりました。シティユーワ法律事務所の尾崎弁護士は、MPEG-2のパテントプールが創設されるときに、日本特許の必須判定をする中立な判定人として選任され、以来、数多くのパテントプールについて、必須日本特許の判定を行っています。必須特許とは、当該規格技術を実施した場合に必ず抵触する特許です。必須特許の判定は、いわば、パテントプールにライセンス対象特許として登録されることを希望して申請される特許の中から、ライセンス対象とされるべき特許とそうでない特許を判別する仕事です。現在、MPEG-2のパテントプールの管理会社である米国のMPEGLAから、MPEG-2のほか、MPEG-4, H.264/AVC、VC-1等の規格についての必須特許の判定の依頼を受けているほか、DVDやBlu-ray Discの規格についての必須特許の判定をも行っています。

また、シティユーワ法律事務所では、特許権者を代理して、依頼者の特許権がパテントプールに登録されるように申請する業務も扱っています。この場合は、判定人に対して、申請にかかる特許が当該規格の必須特許であることを説明して、必須特許の判定をしてもらうように努力します。現在、わが国の地上波デジタル放送技術の規格であるARIB規格についてパテントプールが創設されていますが、このパテントプールの必須特許評価は、日本知的財産仲裁センターが行っています。日本知的財産仲裁センターは日本弁護士連合会(日弁連)と日本弁理士会が共同して設立した仲裁のためのセンターですが、弁護士と弁理士がペアになって個々の必須特許判定業務を担当しています。シティユーワ法律事務所は、現在ARIB規格のパテントプールに対して、外国企業を代理して、必須特許の評価申請業務を行っています。

ページの先頭へ

ホーム > 業務分野 > 知的財産・IT > パテントプール